いつもお世話になっております。インフラサポートチームの近藤です。
●はじめに
今年に入ってからWindows11 バージョン24H2への自動アップデートが始まっています。
24H2はリリース当初から多数の不具合が報告されておりアップデートによるトラブルが多発していました。
現時点では修正により多くの不具合は解消されていますが、現時点でもトラブルの多い現象が
共有フォルダが開けなくなったという問題です。
今回はこちらの原因と対処方法をご案内させて頂きます。
●共有フォルダが開けなくなくなってしまうが、不具合という訳ではない
Windows11 24H2にアップデートを行うと今まで開く事が出来た共有フォルダを開いた際に下記の様なメッセージが出て開く事が出来なくなる事があります。
また、下記の様なメッセージでは無くパスワードを設定していないにも関わらずパスワード(資格情報)を要求されてしまい開く事が出来ない場合もあります。

この原因は24H2から共有フォルダへの安全でないゲストログオンが標準でブロックされてしまう様に仕様が変更された事が原因です。
安全でないゲストログオンとは、パスワード設定されていない共有フォルダに対し登録されていないユーザー(ゲストユーザー)でアクセスする事を指します。
鍵がかけられていない場所に来た知らないユーザーは通さないという仕様になった訳ですので、セキュリティ的には真っ当な対応であり不具合ではありませんので今後修正が入って以前の様にアクセス可能になる見込みは低いと言わざるを得ません。
今まで通り共有フォルダを使用する場合は何らかの設定変更を行う必要があります。
●最も真っ当な対応は共有フォルダにパスワードを設定する事
まず、最も安全な対処法は今までパスワードがかかっていなかった共有フォルダにパスワードを設定し、誰でもアクセス出来る状態にしない事になります。
セキュリティ的には安全になる方法ですが、各PCにパスワードを記憶させたり利用者に周知させる必要がある為システム担当の方の負担が大きい方法になります。
将来的にはともかく今すぐ業務で共有フォルダを使用したいという場合にはなかなか難しい場合もあると思います。
●以前と同じ様にパスワード無しで共有フォルダを開く事が出来る様に設定を変更する
次の方法はパスワード設定されていない共有フォルダを開く事が出来る設定に変更する方法です。
セキュリティ的にはパスワード設定をするよりも低いのですが、今までの運用と比べて落ちる訳ではありません。
24H2で強化されたセキュリティを元に戻すだけになります。
1.ローカルグループポリシーエディターを開く
スタートボタンを右クリック → ファイル名を指定して実行を開く → 名前欄に”gpedit.msc”と入力しOKを押す

他にWindowsの検索から”グループポリシー”と検索し”グループポリシーの編集”を開く事でもローカルグループポリシーエディターを開く事が出来ます。

2.ローカルグループポリシーから”安全でないゲストログオンを有効にする”を開く
コンピューターの構成 → 管理用テンプレート → ネットワーク → Lanmanワークステーションと開き、右側の項目から”安全でないゲストログオンを有効にする”を開きます。
※”安全でないゲストログオンを監査する”という項目もありますがこちらは関係ありませんのでご注意下さい。

3.”安全でないゲストログオンを有効にする”の項目を有効にする
標準の設定では未構成になっている事が多いと思われますので有効にして適用 → OKを押します。
無効になっている場合も有効に変更します。

ここまでの設定を行った時点で共有フォルダが開く事が出来る様になっていると思われます。
もし開く事が出来ない場合は一度PCを再起動してみて下さい。
それでも開く事が出来ない場合は24H2でのセキュリティ強化とは別の原因で開けなくなっている可能性がありますので原因調査が必要になります。
●Windows11 Homeではローカルグループポリシーエディターが無い
上記の設定はWindows11 Proでの手順になります。
Homeの場合はローカルグループポリシーエディターがありませんので直接レジストリを変更する必要があります。
下記のキーを開き、DWORD(32ビット)値で”AllowInsecureGuestAuth”と”RequireSecuritySignature”を作成し1の値で設定する事で上記と同じ設定が可能です。
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanWorkstation\Parameters
ただし、レジストリの編集は間違った設定してしまわない様に注意が必要となります。
最悪起動不可になる場合もありますので分からない場合は共有フォルダにパスワード設定をする事をお勧めします。
●おわりに
24H2はこれ以外にもトラブルの多いバージョンになります。
セキュリティ向上の為とは言え、事前告知が足りないまま仕様変更されてしまう事で余計なトラブルが増えている気もします。
当社でもお客様から多数お問い合わせを頂いており、お客様環境に合わせて対応させて頂いております。
当社のユースウェア保守をご契約頂きますとリモートや訪問でのサポートが無償となります。
トラブル等でお困りであれば一度ご検討下さい。
お問い合わせフォーム